“破滅”と“再生”の美学(真弓の雑記・はてな出張所)

だいたいいつも、アニメばかり観ています

話数単位で選ぶ、2013年TVアニメ10選

あけましておめでとうございます。、@knkmayumiこと、筋肉真弓です。
2014年に既になってしまったので遅刻ですが、以下の企画に参加させていただます。
2013年も、アニメが面白すぎて困っちゃいました。


「話数単位で選ぶ、2013年TVアニメ10選」参加サイト一覧
http://shinmai.seesaa.net/article/382284448.html

<ルール>
・2013年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・放送日時順。順位は付けない。

ネタバレについては殆ど配慮ありませんのでご了承の上お読みください。

★リンク→当該話数の公式サイトあらすじ
☆リンク→当該作品のweb配信ページ
■短評


琴浦さん』 #1「琴浦さんと真鍋くん」
脚本:あおしまたかし 絵コンテ:太田雅彦 演出:荒井省吾 作画監督:橋口隼人、池田広明
あらすじ★http://www.kotourasan.com/story/index.html#01
配信☆http://ch.nicovideo.jp/kotourasan

■TVアニメの第一話の入り方について改めて考えさせられる導入でした。放送前情報や公式サイト、そこで見た絵柄から想定できる作品のムード、そういう仮定を真裏にひっくり返してくれるAパートの暗さ(ストーリーも暗ければ画面もだんだん暗くなっていく!わかりやすい!)から、頭の中に宇宙人の住んでるような不思議な真鍋クンとの出逢い。運命の人との出逢いには様々な比喩が用いられるけど、琴浦さんにとってあの一瞬は、本当に自分を覆っていたガラスの膜が割れるような衝撃があったのでしょう。母親役・井上喜久子さんの存在感も光る、いいエピソードでした。


『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』 #10「夏合宿の会議で修羅場」
脚本:裕時悠示 絵コンテ:渡辺了 演出:下田正美 作画監督:山野雅明、小澤円、徳田夢之介
あらすじ★http://www.oreshura.net/story/10.html
配信☆http://ch.nicovideo.jp/oreshura

■俺修羅の女の子たちは、みんな"好き"の気持ちに素直で、けど奥ゆかしくて、その気持ちを言いたくても言えないような場面に見せるいじらしさが可愛いんですよね。
この第十話では、

「やきもちわわ……」

の場面に代表されるように、一歩進んではまた退がる駆け引きを繰り返しながら、ふと、もどかしさを喚起させるようなショットや台詞が入る。盛り上がったところに全然関係ない光景がちょっと入るような緩急もいい。Bパートのショッピング場面はサービスショットを交えた奪い合いでやきもきさせてくれる。そして最後には、進展を予感させる「本当にキミが好きなのは、どの娘だい?」の一言がグサッと刺さる。つい何度も観てしまう、甘いお菓子のような魅力のエピソードでした。
俺修羅から単一エピソードを選ぶというのは非常に悩ましい作業でした。春咲千和(CV:赤崎千夏)の幼馴染み力が披露される#3、冬海愛衣(CV:茅野愛衣)が愛衣ちゃんだいしょうりー!する#9、夏川真涼(CV:田村ゆかり)の停滞と復活が描かれる#12、#13もオススメ。二期は秋篠姫香(CV:金元寿子)のメイン回に期待ですね。


『革命機ヴァルヴレイヴ』 第10話「恋の選挙公約」
脚本:大河内一楼 絵コンテ:松尾衡 演出:神保昌登 作画監督:山岸正和、長田伸二、池田佳代、吉田雄一
あらすじ★http://www.valvrave.com/story/#ep10
配信☆http://ch.nicovideo.jp/valvrave (他、バンダイチャンネル http://www.b-ch.com/ttl/index.php?ttl_c=3626 などで配信)

■人間と神憑き、どうしようもなく別れてしまった二つの道が残酷なまでに映しだされる回。咲森学園の生徒達に見つめられる中で、理想と願望のこもった選挙公約を謳いあげるショーコの姿は、彼女らしく素直でそれでいて高潔。一方、マギウスの力の発作に苦しめられたハルトは、隣に居たサキを襲い性的暴行に至る。それでも、ハルトと同じ力を身体に内包しているサキは抵抗しない。唯の思いやりや優しさによる無抵抗ではなく、恐ろしき能力と血の運命を受け容れる覚悟があったからこそ、ハルトに向けてラストカットのような顔ができる。これは決して、視聴者の好奇心を焚きつけるためだけの場面ではないでしょう。美しさと厳しさの入り交じった"レイプ"シーン。ここを起点に1クール目クライマックスに向けて高揚していく、非常にいいエピソードでした。


『あいうら』 第12話「また明日」
脚本・絵コンテ・演出:中村亮介 作画監督:細居美恵子
あらすじ★http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/aiura/episodes/index.html
配信☆http://ch.nicovideo.jp/aiura/

「すっごく面白くないこと思いついた」
「明日でいいです」
「言わせてよ~」
「ふふっ、じゃあまた明日ね」
「うん、じゃ」
「ばいばい」

■一秒も無駄なものがない、大事に仕舞っておいたものがキラキラ輝いてるタイムカプセルのような三分間でした。街にあるもの、通りすぎる人々、いつもの帰り道、美味しい食べ物、遠くの海も夕日も星空も、感じ方一つでまるで違って見える、だから今日と明日とかけがえない友達を大切にしようじゃないか。そんな決心をできるように背中を押してくれる、シンプルかつ真摯なエピソードでした。
当作品を含め、「2013年は、ショートアニメ隆盛の年だった!」といっても過言ではないかもしれません。来年はどんな新しいショートアニメが生まれるのでしょうか。楽しみでなりません。


『君のいる町』 第3話「突然、バタンチュー」
脚本:吉田玲子 絵コンテ・演出:木村延景 作画監督:竹田欣弘
あらすじ★http://www.kiminoirumachi.com/story/03.html
配信☆http://ch.nicovideo.jp/kiminoirumachi

■思春期の恋は不安定で、前触れがなくて、本心と行動が一致しなくて、傷つけ合いとすれ違いばかりに彩られている。タンポポの綿毛、あるいは掴み手のない風船のようにふわふらと空に上がっては、どこにたどり着くのかわからない。Bパート最後にて打ち上げられた色とりどりの風船の群れ、その前景には、枝葉柚希から桐島青大に

「私のことは忘れて下さい。もう会いに来ないで。お願い」

と告げられる局面がある。まるで何かを祝福しているかのように空へと飛んで行く風船たちに遅れて、たったひとつの赤い風船が寂しく浮かぶ。この上なく切ないエピソードでした。


ガッチャマンクラウズ』 #12「Collage」
脚本:大野敏哉 (他スタッフは多数のため別途ご確認ください)
あらすじ★http://www.ntv.co.jp/GATCHAMAN_Crowds/story/12.html
配信☆http://vod.ntv.co.jp/program/GATCHAMAN_Crowds/http://www.b-ch.com/ttl/index.php?ttl_c=3706&mvc=2_0_203133_1

「いけるかな?X」
「ルイ。何故そんなことを訊くんですか?わたしにはわかります。累が今、誰よりもワクワクしていることが」
「X。キミと出会えて、ホントに、ホントに良かったよ」

■このエピソードが示してくれた累の選択と新しいGALAXの利用法は、365日の生活とソーシャルネットの存在を切り離せなくなってきている我々に対して、多くの示唆を与えてくれるものでした。『ガッチャマンクラウズ』については、視聴された多くの方が有益な意見を表明されています。話数単位と言わず、全話視聴されることをお勧めします。他に自分から言えることは、

「我々の目の前にあるツールの使い方に正解はない、だからみんなで試して少しづつ善いものに改良していこう」
「いいおっぱいENDだった」

この二つだけです。

上記のツイート引用にもある通り(適切な例かはわかりません!)、2013年はwebとアニメの融合がまた一歩進む年でした。今後もこの傾向は続いていくと思いますが、新しい表現に期待したいところですね。


『帰宅部活動記録』 #12「記録の三十七「よみちがい」~記録の五十七「大事なお知らせ」」(※中略しました)
脚本:雑破業 絵コンテ:佐藤光、高田耕一 演出:佐藤光、守田芸生 作画監督:古賀誠、北原章雄、青木昭仁
あらすじ★http://www.ntv.co.jp/kitakubu/story/story12.html
配信☆http://vod.ntv.co.jp/program/kitakubu/

■安藤夏希(CV:木戸衣吹)のツッコミが癖になってたまらなくなってきた頃に終わってしまった、1クールなのがまこと惜しまれる『帰宅部活動記録』。前週までの流れから一変し、第11話では桜と牡丹の転校直後の馴れ初めが静かに丁寧に描かれ、賑やかだったシリーズに花を一輪添えました。そして〆の第12話ではまた一転、本編終了後のデザート的お楽しみだったちび劇場から開始し、何度目かわからないドラクエネタ、夢オチ、トイレの大中小話、ダダスベリ漫才、出オチの新キャラ、突然の海外旅行からのシューベルト『魔王』押し、尺埋め的な絵描き歌、そして番組終了前の無理矢理感。このエピソードはかんぜんに深夜低予算バラエティ番組でした。くだらなかったです。本当にありがとうございました。


犬とハサミは使いよう』 第拾弐話「犬とハサミは使いよう
脚本:待田堂子 絵コンテ・演出:高橋幸雄 作画監督:佐藤陽子
あらすじ★http://inuhasa.jp/story/2013/09/007352.html
配信☆http://ch.nicovideo.jp/inuhasa (他、GyaO!ストア http://streaming.yahoo.co.jp/c/y/00615/v09634/v1000000000000000923/ などで配信)

■ヒロイン(CV:井上麻里奈)が最終回でゲロを吐いて終わるアニメは名作。


『WHITE ALBUM2』 #7「最高の、最後の日」
脚本:丸戸史明 絵コンテ・演出:沼田誠也 作画監督:岩本里奈、吉田巧介(総作画監督:沼田誠也
あらすじ★http://whitealbum2.jp/story/index.html
配信☆http://ch.nicovideo.jp/whitealbum2

■「最高の、最後の日」まずこのタイトルがねぇ~、もうズルいっていうんですかねぇ~。この後に三人に何が起こるのか、知ってれば知ってるほど雪菜く、いやいや切なくなってくるんですよねぇ~。ステージで雪菜が気持ちよさそうに歌ってるでしょ~?で、かずさに目で訴えてくるのよ、

「冬馬さん、あなたの本当の気持ちはどこ?本当に好きな人は……誰?」

って。いやいや普通、小木曽ァ!演奏中に何言ってんだよオマエってなるじゃないですか~、でもかずさは答えるんですよね、

「そんなの、人に話すことじゃないだろ」

って。全く何なんだこいつらはーっと思ってたら、二人して見つめるんですね~春希クンのコト。肝心の春希クンはソロプレイ(あっ、ギターですよ、エレキギターのね)に夢中になってるし、もう観てるこっちはどっちらけ~ってなっちゃってね。まぁ三人仲良くしろよな~なんて心のなかでオネガイッ!してたら、これまたBパートがトンデモナイ修羅場でね~、雪菜なんて感極まっちゃって、

「避けても、いいんだよ…?」

だって。も~我慢の限界。。。小木曽ァ!冬馬ァ!春希ァ!このバカチンども!!!
(※観ながら書いてたら情緒的にしか書けなかったので詳しくは本編にてご確認ください)


ワルキューレロマンツェ』 第十話「激闘―Close Fights」
脚本:ふでやすかずゆき 絵コンテ・演出:喜多幡徹 作画監督:近藤源一郎、鳥山冬美、佐藤真里那、福島豊明
あらすじ★http://walroma.com/story/
配信☆http://ch.nicovideo.jp/walroma

■騎士になる/ジョストを戦うという行為について、ウィンフォード学園の生徒達一人ひとりのかける想いは、十人十色であり、年に一度の大会ともなればその想いが時に強くぶつかり合う。フィオナ・ベックフォードは友人であるリサ・エオストレの変わっていく様に納得がいかず、ツンケンしてしまうが、その二人の仲を繋ぎ直すのもまたジョストだった。「もっと強くなるために、本当の友達になってくれる?」と手を差し伸べるリサに、「ずっとひとりで寂しかった」と涙を流しながら応えるフィオナ。この心暖まる挿話から、馬の出産を介助するため奔走する貴弘の場面に移り、そして準決勝へと進む大会は更なる激戦を予感させる……。緊張と緩和の按配が心地いいエピソードでした。
ワルキューレロマンツェ』は、シチュエーションコントとして完成度の高い第七話(これも非常にお勧め!)を中途に挟みながらも、複数のキャラクターのドラマを絡ませて巧みに進行していく、サービス精神とバランス感覚に優れたアニメでした。



□当記事をまとめている時点(2014年初頭)で既に沢山の方がエントリをupされていました。当イベントについては年内に提出するのが通例のようですからそれも当たり前。自分もそうできれば良かったですね。反省して今年度は視聴を遅らせないように心がけたいです。気になっているけど視聴完了していない『惡の華』『有頂天家族』『革命機ヴァルヴレイヴ 2nd SEASON』(それと『たまこまーけっと』第9話「歌っちゃうんだ、恋の歌」)は、宿題として優先的に観ていきたいですね。


以上、2013年TVアニメ10選でした。
今年も一緒に新作を楽しんでいければ、幸いです。


※2014.01.05追記-集計が終了していたようですので以下のリンクを追加しました。話数単位10選は、ある種エピソード人気投票的な側面もある企画ですので、この結果からまた何かを分析出来るかもしれませんね。参考にどうぞ。

「話数単位で選ぶ、2013年TVアニメ10選」投票集計
http://shinmai.seesaa.net/article/384061488.html

「「話数単位で選ぶ、2013年TVアニメ10選」投票集計」をアニメごとにまとめてみた
http://ailuros.hatenablog.com/entry/2014/01/02/191258