読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

“破滅”と“再生”の美学(真弓の雑記・はてな出張所)

だいたいいつも、アニメばかり観ています

【ネタバレ含】映画でもやっぱり春香はメインヒロイン! ~劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』雑感~

今回の劇場版、総じて素晴らしい内容であったけれど、特に感銘を受けたのが中盤のワンシーン。アリーナライブに向けたレッスンが、バックダンサー達(ミリオンライブ勢)の不和によりなかなか立ちゆかず、リーダーを任されていた天海春香が思い悩んでいたところで、偶然出くわした星井美希と話す場面。そこで美希が口にした

「美希は春香じゃないからわかんないの」

から始まる一連の台詞がものすごく良かった。とても美希らしい言葉遣いだなと思った。

この映画では、美希が春香を見つめている顔を捉えたショットが随所に挟まれるが、その視線が強調されるのは恐らく、春香が美希に足りない何かを持っている、そのことの重要さに美希が気づいていて、だから春香の選択に対してこんなにも注目しているのだと示したいからだろう。

普段はのぼーっとしているが、いざという時の行動と言動に迷いも遠慮もなく、他人を観察する眼に優れている。そんな天才肌の美希があれだけ春香を見つめているのは期待の大きさの現出であり、リーダーとしての春香がどういう選択をしていくか、それを見つめていくことの意義が高いのだと如実に示している。厳しい芸能界に身をやつしながらも「いっしょにいる」ことの大切さを教えてくれた相手に対してだからこそできる信頼。「こうすればいいんじゃない?」ではなく「あなたの思うようにやればいい」と告げるのは、心の底から信頼している相手でなければできないものだ。ファンにとっても、自分にとっても、765プロにとっても大切なアリーナでの大規模ライブに関わるような決定事項であるなら、なおさら当事者は神経質になるはず。でも、春香にだったら、その選択をぽんっと任せられる。美希にとって春香はそういう人物なんだろう、と感じさせるような見つめ方だった。

それは美希だけでなく例えば(映画において選択を促す場面のあった)千早にとってもそうなんだろう。ボーカルの技量では春香を遥かに上回る千早にとっても、選択を委ねるに値する大切な何かを春香が持っているのだと見ているような印象を受ける。それはもしかしたら、アイドルとして最も大事な何らかの資質なのかもしれない。

春香はそんな期待の視線を受けながら、感謝と責任を忘れることなく、あのいつものような輝かしい笑顔で明日も応えてくれる。そう信じられる存在だ。

天海春香というキャラクターがあのアイドル達の中心(敷衍して『im@s』というコンテンツの中心)に位置しているということの意義について、もっともっと追求していかなくちゃならないな、と思った。

同時に、音無小鳥さんがアリーナの席でサイリウムバルログ持ちしていた意義についても……。


我々プロデューサー達が観たいと思っていたものを丁寧に汲み取っていただき、そのままシンプルに、力強く示して、貫禄を持った映画として仕立てあげていただいたことに、改めて感謝したい想いでいっぱいです。全スタッフ&キャストの皆様、ありがとうございました。